とかちの酵母2種類と簡単予備発酵の仕方

私は、とかち野酵母を使い、ホームベーカリーでパンを焼いています。

以前は、ホシノ天然酵母を使っていた時期もありましたが、酵母起こしや管理が面倒になり、今は酵母起こしが簡単な、とかち野酵母に落ち着きました。

◆ とかち野酵母とは?

雄大な北海道の大自然で育ったエゾヤマザクラのさくらんぼから生まれた十勝野産の野生酵母

帯広畜産大学と北海道農業研究センターの取り組みにより、北海道十勝地方を中心として採取された花や果実から分離された酵母菌より、パン生地発酵性の高い菌を探し出す取り組みを行いました。
エゾヤマザクラのサクランボを分離源とする菌株は無糖生地の発酵力のみならず、自然界から分離された菌株には珍しく高糖生地での発酵力にも優れ、焼き上がったパンは穏やかな香味を有しておりました。
私たちはこの酵母菌に「とかち野酵母」という名前を与え商品化しました。この酵母は人手をかけた品種改良は行っておりません。いわゆる野生酵母ですが、北海道の厳しい自然を生き抜いた力強い生命力を持ちながら、優しい香味を作り出します。

日本甜菜製糖株式会社より

とかち野酵母は、天然酵母の中でも優れた発酵力があり扱いやすいのが魅力です。

それから、とかち野酵母はホシノ天然酵母の芳醇な香りにはかないませんが、焼いている最中にフルーティーな香りがし、その香りが部屋中に広がりなんとも言えません。

トーストした時にもフルーティーないい香りがします。味も深みが出る気がします。

たまにインスタントドライイーストで焼くと、とかち野酵母で焼いた時のような酵母のいい香りと深い味がしないので違いがはっきりわかり、香りも味もやはりとかち野で焼いた方がだんぜんおいしいです。

でもやっぱり天然酵母は扱いが面倒臭そう…と思われている方もいるかもしれませんね。

ところがそれ程面倒じゃないんですよ!

とかち野酵母には2種類あって、普通のインスタントドライイーストと同じようにそのまま使える分包タイプ(上記写真右側のピンクの方)と、予備発酵が必要なタイプ(上記写真左側のブルーの方)があります。

予備発酵が必要なタイプも予備発酵にかかる時間は10~15分程です。

予備発酵させている10~15分の間に他の材料を揃えたり量ったりできるので、思っている程面倒ではないです。

予備発酵させた酵母を冷蔵庫で保存することも出来ます。(24時間以内に使う)

とかち野酵母2つのタイプ

インスタントドライイーストタイプ

  • 予備発酵不要 
  • 5g×6袋入り 540円(税込み)…富沢商店ネット通販価格
  • 原材料名…酵母/乳化剤、V.C
  • 予備発酵が不要なので、ホームベーカリーや手ごねに直接使用できる。真空包装なので保存性が高く常温で保管可。なお、冬期や室温が低い場合は予備発酵を行うとより安定した発酵が得られる。

活性ドライイーストタイプ

  • 予備発酵必要 
  • 100g入り 864円(税込)…富沢商店ネット通販価格
  • 原材料名…酵母
  • 活性ドライイーストは乳化剤を配合しておらず、酵母を目覚めさせるために、予備発酵が必要。この商品は冷蔵で保管。

私は量的にもリーズナブルな青いパッケージの「活性ドライイースト」タイプを使っています。

こちらは酵母を目覚めさせるという予備発酵が必要になりますが、エサとなる砂糖を加えたぬるま湯に加えると10~15分程で酵母が目覚め発酵します。

私はその間に他の材料をそろえたり量ったりしています。

◆とかち野酵母の予備発酵の仕方

準備するもの:食パン1斤分

  • 35~40℃のぬるま湯:50cc
  • 砂糖:2.5g(小さじ1/2)… ぬるま湯の5%
  • とかち野酵母:5g … ぬるま湯の10倍
予備発酵に使うぬるま湯は、パンを焼く時の全体の水分量に含みます!
全体の水分量=予備発酵に使うぬるま湯の量+生地に使用する水分量

予備発酵の手順

1)35~40℃に調整したぬるま湯50mlに砂糖2.5g(小さじ1/2)を加え溶かします。(私は500wの電子レンジで10~20秒ほど加熱してぬるま湯を作っています。)※35~40℃に保温し続ける必要はありません。

2)5gのとかち野酵母をダマにならないようにパラパラと加えます。1ヵ所に固めないのがポイント。(↓振り入れた直後の状態)

3)ゆるやかに良くかきまぜます(ダマになっていなければかき混ぜなくてもOK)。酵母の粒は少し残っても構いません。

4)5分くらいで元気に泡立ち始めます。10分〜15分で発酵完了です。(下記は10分後の状態)

(↓パンケースに入れた時の状態)

予備発酵後の保存方法(あらかじめ準備できるので便利)

  • すぐに使わない時はラップをして冷蔵庫で保存し、24時間以内に使う。
  • よくかき混ぜて使う。
  • 使用する際は酵母を温め直す必要はありません。

◆ まとめ

手軽に天然酵母のおいしいパンを楽しみたいという方には、この「とかち野酵母」は取り扱いが簡単なのでとてもいいと思います。

インスタントドライイーストに比べ若干膨らみは悪くなりますが、酵母のフルーティーな香りと小麦の甘みが引き立てられるような旨味のある味が私は大好きです。

とかち野酵母で焼いたパン、本当に美味しいですよ!