ホームベーカリーで焼く食パンは、焼いた当日はおいしいのですが老化(固くなる)が早いですよね。それに、パン屋さんで売っているようなキメの細かいしっとりとした食パンにはやはり叶いません。
久しぶりに、パン屋さんで売っているようなキメの細かいフワフワの食パンが食べたくなり、挑戦してみることにしました。
ホームベーカリーで捏ね、冷蔵庫で低温長時間発酵させて久しぶりに型で焼いてみましたが、結果は…
写真でわかるでしょうか?
クラム(内層)はとてもフワフワしっとりで翌日もやわらかい弾力のあるパンになりましたが、焼成に関しては、型で焼く時のオーブンのクセをすっかり忘れてしまっていて、上部を焦がし、側面には焼き色があまりつかず、失敗でした(泣)私のオーブンはどうも上からの熱が強いみたいです。
そもそも、家庭用のオーブンは高さのある食パンを焼くには適していないそうです。庫内が狭いうえに、業務用のオーブンに比べて熱量が安定していないため、食パンのようなじっくり火を通したい大型のパンに均一に火を通すのが難しい、というのがその理由です。
一方、小型のパン(ミニパンやロールパン、クロワッサン等)は、短時間で高温で焼くので業務用のオーブンより家庭用のオーブンの方が適しています。もし食パンを焼く場合でも、小さめの型のミニ食パンにした方が良さそうです。
そういう訳で、食パンを上手く焼くには、自分の家のオーブンのクセを掴むしかないわけですが、今回クラム(内層)に関しては、かなり理想に近いフワフワのやわらかいパンになったので、今後もう少しレシピや捏ね時間等を修正しながら、焼きに関しても修行していきたいと思います。
◆ 「こね」の重要性
フワフワのやわらかいパンにしたい時は、どれだけしっかりこねたかが大事になってきます。しっかりこねることで、発酵によって生地がふくらんでもやぶけない強いグルテン膜を作るわけです。
こね上がりの完了を見るには、生地の端を両手で伸ばしてみて、膜状に薄く伸び、指が透けて見えたらこね上がりです。食パンの場合は、生地のこね加減は100~120%位のややこねすぎ位が良いそうです。
ただし、低温長時間発酵させる場合は、発酵している間もグルテン膜が形成されていくので、その事も考えてこね上がりの調整をします。
バゲットやカンパーニュなどの気泡が入るようなハード系のパンは、逆にこねすぎないことが大事です。
◆ バターなしでフワフワやわらかい食パンレシピ
材料:1斤分
※ インスタントドライイーストの代わりにとかち野酵母を使っています。
材 料 | 量 | ベーカーズ% (粉250gに対して) |
予備発酵用ぬるま湯(約40℃) | 50g | 先に準備する |
予備発酵用砂糖 | 2.5g | 先に準備する |
予備発酵タイプとかち野酵母 | 5g | 先に準備する |
国産強力粉(春よ恋) | 160g | 64% |
国産強力全粒粉(春よ恋) | 25g | 10% |
国産薄力粉(ドルチェ) | 65g | 26% |
砂糖 | 20g | 8% |
塩 | 5g | 2% |
牛乳 | 100g | 40% |
水(予備発酵用のぬるま湯を含まず) (室温が25℃以上:水温5℃ 室温が10℃以下:水温20℃) |
50g |
40% |
作り方
今回は、こねはホームベーカリー、一次発酵は冷蔵庫で低温長時間発酵、焼成は型に入れてオーブンで焼きました。
1)最初にとかち野酵母を予備発酵させます。(10分〜15分)
【とかち野酵母の予備発酵の手順】(詳しくはこちら)
- 35~40℃に調整したぬるま湯に砂糖を加え溶かします。
(私は500wの電子レンジで20秒ほど加熱してぬるま湯を作っています。)
※保温し続ける必要はありません。 - とかち野酵母をダマにならないようにパラパラと加えます。1ヵ所に固めないのがポイント。
- ゆるやかに良くかきまぜます(ダマになっていなければかき混ぜなくてもOK)。酵母の粒は少し残っても構いません。
- 5分くらいで元気に泡立ち始めます。10分〜15分で発酵完了です。
2)予備発酵させている間に材料を揃え計ります。(私は0.1gまで計れるタニタのデジタル計量器を使っています。)
3)とかち野酵母の予備発酵が終わったら、ホームベーカリーのパンケースに羽を取り付け
① 牛乳と水と予備発酵させたとかち野酵母を入れます。
② 強力粉,全粒粉,薄力粉,砂糖,塩を入れます。
4)パンケースをホームベーカリー本体にセットし、単独コースの「こねる」を選択し、時間は15~20分で設定し、スタートボタンを押します。ホームベーカリーによってこねが違うと思いますので、こね終わったら一度こね上がりの状態を、生地の端を両手で伸ばしてチェックしてみてください。膜状に薄く伸び、指が透けて見えたらこね上がり完了です。足りなければこねを追加してください。
5)一次発酵させます。こね上がったらタッパー(ボウルでも可)に移し、表面を平にし蓋をして、夏はすぐに冷蔵庫の冷蔵室に入れます。春と秋は1~2時間程室温において1.5倍位に膨らんでから、冷蔵庫の野菜室に入れます。冬は4~5時間程室温において1.5倍位に膨らんでから、同じように冷蔵庫の野菜室に入れます。(注:夏だけ冷蔵庫の冷蔵室)
6)冷蔵庫に一晩(8時間以上)おいて生地が2倍位に膨らむまで待ちます。
7)分割します。台に分量外の強力粉を振り、生地を取り出します。水分量が多めの生地なので少しべたつきますが、生地の上からも粉を振り、2等分か3等分して丸めます。
8)ベンチタイム 20分ベンチタイムをとります。
9)成形します。生地を傷つけないように麺棒でやさしくしっかりガス抜きをしながら伸ばし、端から生地を巻いていき5分程休ませます。その後にもう一度、生地を伸ばし端からしっかり巻き、閉じ目を下にしてバターを塗った型に入れます。
10)二次発酵させます。室温で二次発酵させる場合は、乾燥しないように大きなポリ袋入れて発酵させます。型の1cm下まで発酵したら、オーブンを250℃で予熱を開始します。予熱が終わった頃に、生地が型より少し上までふくらんでいるのが理想です。
11)焼成。予熱が終わったオーブンに生地を入れて一旦スイッチを切り、5分たったら再びスイッチを入れ(生地が焼きかたまる前に中心部を温めてふくらみやすくするため)、200℃で20~25分焼きます。焼成温度と時間は、オーブンによって違うと思いますので、それぞれのオーブンに合わせて調整してください。
フワフワしっとりのパンで、玉子サンドを作って食べました。