発酵種を加えて作る日持ちのいい「黒ごまカンパーニュ」

パンの製法には、ストレート法や発酵種法など、いろんな製法がありますが、今回は発酵種法で黒ごまカンパーニュを焼いてみました。

「発酵種法」とは、事前に発酵させた生地(発酵種)を作って冷蔵庫で保存し、翌日以降にその発酵種を10~40%(平均20%)通常のパンの材料に加えてつくる方法です。

発酵種を使うことにより伸びのよいグルテンが出来るので、生地が安定しキメの細かい風味のいい、日持ちのするパンが出来上がります。

発酵種は冷蔵保存中も発酵が進み、時間とともに発酵力が低下し酸味が増してくるので、3日以内に使い切るようにします。

◆ 事前に作る発酵種のレシピ

材料

※ インスタントドライイーストの代わりにとかち野酵母を使っています。

材 料 ベーカーズ%
(粉150gに対して)
予備発酵用ぬるま湯(約40℃) 20g 先に準備する
予備発酵用砂糖 1g 先に準備する
予備発酵タイプとかち野酵母 2g 先に準備する
国産強力全粒粉(春よ恋) 150g 100%

3g 2%
(予備発酵用のぬるま湯を含まず)
(室温が25℃以上:水温5℃
 室温が10℃以下:水温20℃)
78g 約65%
(予備発酵用のぬるま湯
20gも含む98gの%)

作り方

1)最初にとかち野酵母を予備発酵させます。(10分〜15分)

 【とかち野酵母の予備発酵の手順

  1. 35~40℃に調整したぬるま湯に砂糖を加え溶かします。
    (私は500wの電子レンジで20秒ほど加熱してぬるま湯を作っています。)
    ※保温し続ける必要はありません。
  2. とかち野酵母をダマにならないようにパラパラと加えます。1ヵ所に固めないのがポイント。
  3. ゆるやかに良くかきまぜます(ダマになっていなければかき混ぜなくてもOK)。酵母の粒は少し残っても構いません。
  4. 5分くらいで元気に泡立ち始めます。10分〜15分で発酵完了です。

2)予備発酵させている間に材料を揃え計ります。(私は0.1gまで計れるタニタのデジタル計量器を使っています。)

3)とかち野酵母の予備発酵が終わったら、ボウルに計量した強力全粒粉、塩、水、とかち野酵母を入れます。

4)表面がツルンとなる程度に軽くこねます。

5)こね上がったら表面がきれいになるように丸くまとめて、タッパーかビニール袋に入れ冷蔵庫で一晩(8時間以上)冷蔵発酵させます。

これで発酵種の準備は完了です。

◆ 黒ごまカンパーニュのレシピ

材料

※ インスタントドライイーストの代わりにとかち野酵母を使っています。
  インスタントドライイーストを使う場合は2g、水は
170gにしてください。

材 料 ベーカーズ%
(粉250gに対して)
予備発酵用ぬるま湯(約40℃) 40g 先に準備する
予備発酵用砂糖 2g 先に準備する
予備発酵タイプとかち野酵母 4g 先に準備する
国産強力粉(春よ恋) 140g 56%
国産薄力粉(ドルチェ) 100g 40%
国産強力全粒粉(春よ恋) 10g 4%
発酵種 100g 40%
砂糖 5g 2%
5g 2%
バター 5g 2%
黒ごま 20g 8%
(予備発酵用のぬるま湯を含まず)
(室温が25℃以上:水温5℃
 室温が10℃以下:水温20℃)
130g 68%
(予備発酵用のぬるま湯
40gも含む170gの%)
水分量について…スーパー等で売っている大手メーカーの外国産小麦粉(カメリア等)を使う場合は、水を5%程多めで調整してください。

作り方

1)最初にとかち野酵母を予備発酵させます。(10分〜15分)

 【とかち野酵母の予備発酵の手順(詳しくはこちら

  1. 35~40℃に調整したぬるま湯に砂糖を加え溶かします。
    (私は500wの電子レンジで20秒ほど加熱してぬるま湯を作っています。)
    ※保温し続ける必要はありません。
  2. とかち野酵母をダマにならないようにパラパラと加えます。1ヵ所に固めないのがポイント。
  3. ゆるやかに良くかきまぜます(ダマになっていなければかき混ぜなくてもOK)。酵母の粒は少し残っても構いません。
  4. 5分くらいで元気に泡立ち始めます。10分〜15分で発酵完了です。

2)予備発酵させている間に材料を揃え計ります。

3)とかち野酵母の予備発酵が終わったら、ボウルに計量した粉、砂糖、塩、水、とかち野酵母を入れます。

4)全体が混ざったら、室温に戻ったバター、黒ごま、発酵種をちぎって入れ、更によくこねます。(私はボウルの中で約20分程こねました)

5)一次発酵させます。こね上がったら丸くまとめてボウルに入れ、ビニール等をかぶせて温かい場所で一次発酵させます。生地が2.5倍位に膨らんだら、発酵完了です。

6)ベンチタイム 一度丸め直し再びボウルに入れ、ビニール等をかぶせて30分ベンチタイムをとります。

7)発酵かご(バヌトン)に分量外の強力粉を振っておきます。

8)成形します。打ち粉をふった台にとじ目を上にして生地をのせ、生地にも打ち粉をして手のひらで軽くつぶします。その生地を半分にたたみ、更に半分にたたみ、端を集めるように丸く成形します。端はしっかり閉じます。

9)とじ目を上にして発酵かご(バヌトン)に入れます。

10)二次発酵させます。オーブンの発酵機能又は室温で発酵させます。室温で発酵させる場合は、乾燥しないように大きなビニール袋に入れて発酵させます。2倍近く膨らんできたら、オーブンを220℃で予熱を開始します。

11)発酵かご(バヌトン)にオーブンシート、天板の順で乗せ、ひっくり返して生地を出します。深さ5mm程のクープを十字に入れます。クープにハケで水を塗ります(クープが開きやすくなる)。

12)焼成。予熱が終わったオーブンに生地を入れて一旦スイッチを切り、5分たったら再びスイッチを入れ(生地が焼きかたまる前に中心部を温めてふくらみやすくするため)、200℃で25~30分焼きます。オーブンによって焼き上がりが違うと思いますので、焼成温度と時間は調整してください。

◆ 発酵種を使って焼いた感想

全粒粉を発酵種にし、40%も入れてカンパーニュを焼いてみましたが、味といい風味といい、外はパリッ、クラムはソフトで弾力のある、とてもおいしいカンパーニュが焼けました。(相変わらず上部は焦がしましたが…^^;)

残った発酵種は、ホームベーカリーのパンに入れて焼きましたが、こちらもいつものホームベーカリーで焼くパンよりも、キメの細かいソフトなパンに焼き上がりました。

いつもスライスした後は冷凍し、食べる時にトーストして食べますが、トーストすると違いがよりはっきりわかります。

トーストしてもクラムのしっとりとしたやわらかさはそのままでした。

ストレート法で焼くより手間はかかりますが、おいしいパンが焼けるなら手間を惜しまずにやってみる価値はありますね。