金柑を年末から年始にかけて2回(別々のところから)いただき、2回甘露煮を作りました。お正月のおせち料理として作る方も多いですね。
金柑は、昔から喉の痛みや風邪の予防に効果があると言われています。
特に皮の部分に抗酸化作用のあるビタミンCやカルシウムが豊富に含まれており、皮ごと食べる金柑は、それらの有効成分を無駄なく摂ることが出来ます。
私は生でそのまま食べるのも好きですが、とろ~っと甘い甘露煮も好きで、甘露煮を作る時に生で食べる分をどれだけ残そうか、といつも迷います^^;
後は、私は甘露煮を作る時にお酢を入れて作るのですが、出来上がったシロップをサワードリンクとして飲むのも楽しみの一つです。
お湯で割ったり、炭酸水で割ったり、金柑のサワードリンク、おいしいですよ♪ 疲労回復にバッチリ!
その金柑の甘露煮ですが、時にしわしわになりふっくらと仕上がらなかったり、苦味が残ってしまうことがありますよね。
今回は、私なりの金柑の甘露煮の、しわにならずにふっくらつやつや柔らかく、苦味なく煮る方法をご紹介します。
なぜ金柑の甘露煮がしわしわになってしまうのか?
金柑の甘露煮の出来上がりがしわしわになってしまうのは、煮ている時に金柑が煮汁から出て冷たい空気に触れてしまうことや、冷ます時の温度変化、浸透圧の関係だそうです。
そのため、砂糖の濃度が濃かったり、煮ている途中に金柑が煮汁から出てしまうとしぼんでしわになることがあります。
ですので、煮る時は落し蓋をし、更に蓋をして(煮る時はずらして)煮ます。
煮終わって冷ます時も、すぐに蓋を取ってしまうと、急激な温度変化によりしわが寄ってしまいます。そのため、煮終わったら蓋をしたまま一晩おき、自然に冷めるのを待ちます。
【しわにしないコツ】
・砂糖の分量は金柑の重量の半量(50%)
・煮る時は、空気に触れないように落し蓋をすること!
・冷ます時は、急激な温度変化を与えないように蓋をしたまま一晩ゆっくり冷まします。
苦味の正体は?
金柑は皮に栄養が豊富に含まれており、生で丸かじり出来ますが、独特な苦みもあります。
この苦みついて調べてみたら、柑橘類の皮などに含まれる「ヘスペリジン」という苦味成分によるもの、また、グレプフルーツや文旦、八朔などにも含まれている「ナリンギン」という苦み成分によるもの、と出てきました。
どちらもポリフェノールの一種で、これらには強い抗酸化作用や末梢血管を強化する作用があるため、血流を改善する効果、高血圧を予防する効果、コレステロール値を低下させる効果、抗アレルギーなどの効果があるそうです。
身体にいい成分ではありますが、特に「ナリンギン」は、鋭い針状の結晶をしているため食べると粘膜が刺激されて舌がピリピリしてくるのだそうです。
なお、この舌がピリピリするという事に関しては、皮に含まれる「テレビン」と呼ばれる揮発性の油によるもの、と書かれているものありました。
いずれにしても、甘露煮を作る場合にはなるべく苦味を抑えた方がおいしく感じることは事実です。
◆ 苦くなく煮るには?
苦くなく煮るには、アク抜き(下茹で)をします。
ここからは私の経験になりますが、路地栽培された(庭になった)金柑はハウス栽培のものに比べて皮が固く苦味が強いように感じます。
それで、生で食べてみて苦味の強さによって次のどちらかの方法でアク抜きをしてから煮ています。
【アク抜き(下茹で)の2つの方法】
・ その1… 苦味がそれ程強くない場合
たっぷりのお湯で3分程煮て、そのお湯は捨て、水を張ったボウルに金柑を約1時間浸してアク抜きをする。(重曹を入れて下茹でした場合と比べると、皮の張りと中身のトロリとした差がはっきり出るプリンとした仕上がりになります。)
・ その2… 苦味が強い場合
重曹を入れたたっぷりのお湯で3分程煮て、そのお湯は捨て、水を張ったボウルに金柑を約1時間浸してアク抜きをする。(この重曹を入れたお湯で下茹でした場合は、全体的に皮もより柔らかく仕上がります。)
金柑甘露煮レシピ
◆ 材料
材 料 | 量 | 概 要 |
金柑 | 500g | ヘタを取りよく洗っておく |
白砂糖 (グラニュー糖) |
250g | 金柑の重量の半量 |
酢 (何酢でも可) |
100ml | 金柑の重量の20%(ちなみに今回 私はリンゴ酢を使いましたが、穀物酢 よりマイルドに仕上がりました) |
水 (無しでも煮るこ とができます) |
入れる場合 はひたひた |
酸味が苦手な方は、先に金柑,砂糖, 酢をいれてからひたひたになる量を 入れてください。 |
※ 重曹 (下茹で用) |
3g (小さじ1) |
路地物の苦味の強い金柑の場合 下茹でに使う |
※ ちなみに私は酸っぱいものが好きなので、水を入れずにお酢だけで煮る方が、濃厚に仕上がるので好きです。水を加えずにお酢だけで煮ても、砂糖が入っているのでそれほど酸っぱさは感じませんよ。でも酸味が苦手な方は、水を加えて煮て下さいね。
◆ 甘露煮の作り方
1.金柑はヘタを取り除いてよく洗っておきます。(私は、最近は金柑に切り込みを入れたり、種を取り出したりはしていませんが、気になる方は切り込みを入れて種を取ってください。)
2.アク抜き(下茹で)をします。(下記のどちらかの方法でアク抜き(下茹で)をします。その時、切り込みを入れていないと実がはじけます。仕上がりの形の崩れはそれ程気になりませんが、手間でなければ切り込みを入れたり、竹串で数ヵ所穴を開けて下さい。)
【アク抜き(下茹で)方法】
・ その1… 苦味がそれ程強くない場合
たっぷりのお湯で3分程煮て、そのお湯は捨て、水を張ったボウルに金柑を約1時間浸してアク抜きをする。
・ その2… 苦味が強い場合
重曹を入れたたっぷりのお湯で3分程煮て、そのお湯は捨て、水を張ったボウルに金柑を約1時間浸してアク抜きをする。
3.鍋に、アク抜きが終わった金柑、砂糖、酢を入れ(酸味が苦手な方は更に水をひたひたになる分量加える)、中火にかけます。沸騰したら火を弱火にして落し蓋(中央に空気穴を開けたアルミホイルやクッキングシートなどで可)をします。
※ 水を加えずに煮る場合は、最初水分が少ない気がしますが、煮ていると砂糖が溶けて水分が上がってくるので大丈夫です。
(〇の部分が空気穴。はさみで十字に切り込みを入れます)
4.更に鍋の蓋もずらしてかぶせ、二重蓋でコトコトと弱火で20~30分煮ます。煮汁にとろみがついたら出来上がりです。
5.火を止めたらそのまま鍋の蓋を完全にかぶせ、鍋のまま自然に冷まします。
※ 冷めるまで蓋を取らずにそのまま一晩ゆっくり冷ますことが、しわにならずに仕上げるコツです。
6.保存は、煮沸消毒した保存瓶にシロップごと入れ保存します。
【保存ビンの殺菌方法】
・鍋で煮沸消毒 … 鍋にビンと蓋とかぶる位の水を入れて沸騰させ、5~10分煮沸消毒する。
・電子レンジ … ビンはきれいに洗い、水気を残したまま電子レンジに入れ、ビン2個で2~4分加熱する。(水気がなくなるまで)蓋はレンジに入れると危ないので小さい鍋等で煮沸消毒する。
◆ 保存期間
酢が入っているため、砂糖だけで作るより保存がききます。
保存期間については、1ヶ月程度という人もいれば、2~3ヶ月という人もいますが、私の場合は、煮沸消毒したビンに入れ、冷蔵庫保存で夏まで(約半年)持ったことがありました。
その時は、甘露煮の実を浮かべたゼリーを作ったりしました。
保存期間はあくまで目安です。砂糖の量が少なかったり、酢が入っていなかったり、煮沸消毒していないビンなどに入れて長期保存すると、カビなどが生えてくることがありますので、よく確認してくださいね。
◆ シロップの使い方
一番のおすすめは、お湯で割ったり、無糖炭酸水(ソーダ)で割ってサワードリンクとして飲むこと。疲労回復にバッチリです!
他にはヨーグルトにかけたり、ゼリーを作る時に使ったり、蒸しパンを作る時の砂糖の代わりに使ったりしています。
蒸しパンを作る時は、ベーキングパウダー(又は重曹)にシロップのお酢の酸が反応して膨らみがいい気がします。
後は、甘酢を作るときに砂糖の代わりに使ったり、紅茶を飲む時にロシアンティーのようにジャムの代わりに甘露煮を1個入れたり、さつまいものレモン煮のレモンと砂糖の代わりに使ったり、いろいろ使えます。
【シロップの使い方まとめ】
・サワードリンクとしてお湯で割ったり、炭酸水(ソーダ)で割って飲む
・ヨーグルトにかける
・ゼリーを作る時の砂糖の代わりにする
・蒸しパンを作る時の砂糖の代わりにする
・甘酢を作る時の砂糖の代わりにする
・さつまいものレモン煮を作る時のレモンと砂糖の代わりにする
・ロシアンティーのジャムの代わりに甘露煮を1個入れる
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